「そろそろFF11の昔話でもしようか。」
私は利便上「ゆしぇりー」(euchery)という名前を使い続けるけど、TwitterのIDやPSO2のキャラクターの「krarith」は永遠と変わらないし変えるつもりは無い。(別に女でも男でもいい。読み方は一応”クラリス”だけど、クラリスじゃなくてKrarith。)
その理由。
この記事の冒頭だけ見ると「FF11の話」と思うかもしれませんが、
タイトルにあるように、いつも通り。「私とFF11の話」となります。
まだ言葉も覚えたての思春期の小~中学生がヴァナディールで1冒険者となり、とある女性に出会ったお話です。
私がFF11を始めたのは、2004年の11月くらいだろうか。
小学校6年生の時に、中学受験が控えているのにも関わらずMMORPGを始めていました。
親も止めなかったし、兄も父もPSOを経験していたから、
特に、誰も、何も。壁を感じなかったようです。
PSOは私から兄へ誘ったけど、FF11は兄から私へ誘ってくれました。
兄もきっとフレンドからFF11を勧められたんだろう。
(そういえば理由を聞いてなかった。今すぐLINEでもすれば答えてくれそうだが・・・なぜLakshmiサーバーだったのだろう。)
上記にあるPSOの記事からFF11の間に何があったかというと、
祖父が亡くなった事だろうか。
元々がんが転移しまくってたせいで衰弱しきっていたから、それが近いというのは知ってたけど、生半可ゲームばっかりやっていた子供時代。
まるでメディアで取り上げられてたような典型で「本当に人って死ぬの?」と思ってました。
正直、小学生くらいなら仕方ないような気もする。
祖父が亡くなってから、小学生ながらも何が出来るんだろうと考えて、しばらく勉強だけやっていた。親も、そうさせてた。
(むしゃくしゃして予習シリーズをビリビリに破いてた。この教材、未だに仕事で使ってますが、よく続いてるなぁと関心する。)
まぁ、自分が教える立場になってからよくわかったけど、強制されて身になる事は1つもなかった。「つるかめ算」は最初に学んでから何十年も経って、塾講師になってようやく分かった。
そんな勉強もつまらない毎日、
ある日、唐突に兄貴にFF11を進められる。
兄貴からFF11を誘われたけど、LS(リンクシェル。俗に言うクラン・ギルド)は自分でなるべく探していました。兄貴の所属していたLSは貰ってはいたけど、そこまでお邪魔しませんでした。
蛇足:FF14でも私から誘っといて兄貴は別のFC(俗にいうクラン・ギルド)を探させてたけど、やっぱりそこはMMOの楽しみでもあるんだと思う。今でも「出会い」がネットゲームの真骨頂だと思っているよ。FF14のハウジングでお隣のFCと仲良くなってみたりさ。
当時のFF11は今じゃ想像できない程の”マゾゲー”でした。
Lv18からのサポートジョブを解放するにも誰かに手助けされないと解放できない。
所属国のミッションも難しい、誰かに助けて貰わないといけない。
今みたいなSNSとか無いし、掲示板も2ちゃんねるはあったけど利用人数は少ない。その世界の中の住人で、同じ目的の人を探さなければならない。
もちろん、私は兄という先輩プレイヤーのお陰でその辺はラクラク進められていました。
しかし、レベル上げは基本的に野良の人を探さないと大体居ません。
同じレベル帯の人、というのがそもそもあまり居なかったのです。
(経験値テーブルが今のゲームじゃ想像できないくらい酷かった。しかしそれでもプレイヤーの人数が多かったからパーティが組めていた。)
しばらくLv上げの日々でした。
私はメインジョブを吟遊詩人に決めて、サポートジョブに白魔導士を選びました。
さらに白魔導士のレベルを上げるのにサポートジョブに黒魔導士が必要でした。
ある日、その黒魔導士のレベル上げを行っていたあたりでしょうか。
低レベル帯の狩場に居ると「ジュノに行ってみたい」と言っているタルタルが居ました。
※タルタルはFF14で言う所のララフェル。ちびっこ。ドワーフ族。
ジュノというのは、最初に選べる所属国3国には無く、その3国の中心ある都市という感じのエリアでした。所属国のミッションを進めていくと、ジュノに行きなさい、なんて言われます。さらにLv20くらいになると、ジュノ周辺のモンスターをみんな狩っていました。だから、必然的にそのレベル帯になるとジュノへ行くことを推奨されています。
(ようやく私も手助けできるかもしれない。)
「1回だけしかいった事ないので不安ですが、一緒に行きましょうか?」
(事前に、兄貴に連れて行って貰っていた。)
「お願いします」
気分はヒーロー気分です。
最寄りの町で白魔導士にジョブチェンジをして、道中の敵を避けてジュノを目指します。道中の敵は私1人でも倒しきれないので、白魔導士の使える敵の視覚・聴覚を遮断する魔法を使っていこうという作戦。
「待って、私いくよ!」
急に、第三者が介入してきました。
その人はミスラという猫耳の種族の女性でした。
「心強いです、私も頑張ります」
「お二人とも、ありがとうございます」
※私が右で、左がその女性です。
何度かモンスターに見つかる事はあったけど、その女性が片手剣で敵を薙ぎ払い、たどり着く首都ジュノ。
そう、その女性は私のやりたいジョブ、「吟遊詩人」の先輩だったのです。
「ありがとうございました」
タルタルは丁寧におじぎをします。
私はジュノへは兄に連れて行ってもらったので、そこまで感動はありませんでしたが、
「私も嬉しいです。ありがとうございました」
何故かこの時は感動したのを今でも覚えています。
そしてその女性は
「よければお二人とも、LSに来ませんか?たまにでいいので顔を出してください!」
とLSを渡してくれました。
そこから毎日そのLSに入り浸ります。
今まで兄が居たLSにはちょっとだけ顔を出してましたが、
やはり兄が居て話ずらかったのもあり、
その女性に渡された黄色のLSは、とても居心地が良かったのです。
彼女はLSに入ってからも、
「LSどう?なじめそう?」
と個人チャットを送ってくれたり、とにかく優しかった。
彼女は英語も出来る人で、カリフォルニア在住の方とよく3人で話してました。
だから私も、最低限、日常会話くらいの英語は喋れなくてもチャットくらいは出来るようにこの時から努力していました。
彼女は優しくて、仕事も、ゲームも、コミュニケーションも、何でもできる。
次第に彼女を尊敬するようになりました。
ここまでKrarithの話。
一度、中の人の話に戻ります。
当時の私の中の人はというと・・・
どん底に居ました。
祖父の死から、とにかく受験、勉強。
合格して、落ち着いたものの祖父が有していた土地から出ていかなければならなくて、よくわからねぇ八王子とかいう所へ引っ越し。
小学校の友達とは別れて、新天地で見知らぬ土地、進学校特有のバカみたいなカリキュラムのせいで数学のテスト20点。そして女子中特有のいじめ、グループ分け、退学者続出。(半年で5人くらい辞めてた)
まぁ部活が楽しければいいじゃん・・・!と思うかもしれませんが。
当時私はもろにゲームの影響(吟遊詩人)を受けて吹奏楽部。
上手く弾けないけど、音楽は好きでした。
丁度楽器を決める日に休んでしまって、誰も選んでいないクラリネットの担当になるのですが、その先輩が典型的のやべーヤツでした。
「ちゃんと先輩に挨拶しないとだめでしょ話聞いてる耳ある?」
「こないだ部活休んだでしょ、なんで連絡しなかったの?」
「先生の話聞いてた?」
「前も言ったよね?なんで連絡しないの??そりゃテストの点数も悪いよね」
まあ普通、社会人でもこんな人が職場に居たら辞めますよね。
もちろん中学生はこの辺の分別が出来ません。
何が普通なのか正しいのか。
これが普通なら、私は相当出来ない子なのだと。
いつしかピアノの音色を聞くのも嫌になりました。
そうして学校に嫌気がさして行かなくなって、
母親や父親に心配され始める。
「学校が嫌なの?」
「いじめられたの?」
「話くらいなら聞くよ」
そんな御託を並べる日々。
でも思春期真っ盛りの女子中学生は何も言えませんでした。
でも、FF11にログインすれば、自分を必要としてくれる人はいっぱいいる。
というか、誰だって人生に息詰まった時にMMOやれば、そう思うと思う。
しかも子供。
現実と幻想の区別も付かず、ただただひたすらMMORPGをやってました。
そうしていくと、次に母親や父親は、
「学校に行かないのはゲームのせいだ」
「ゲームのやりすぎだ」
と言い始めます。
さらにはコントローラーを隠したり、ネットを断ったりされていました。
自分がされたからこそわかるのですが、コレ、たぶん、一番やっちゃいけない事なんだと思います。
ただでさえ藁をもつかむ想いでやってるのに、藁を取り上げて溺れさせるような感じ。
次に、思い通りにいかなくなると、モノに当たるようになっていきました。
今でも実家の壁にはぽっこりと壁紙を貫通した穴が残っています。
いわゆる問題児疑惑で児童相談所とかに行かされる。
何度も何度も同じ質問を繰り返し効かれる。
「何で学校に行かないの?」
そんなの自分でも分かりませんでした。大人になった今の自分が当時の自分を見返しても分からない。
ただ家でFF11やっているのが楽しいっていうのもありましたが、
それ以上に学校に求めている物が無くなったのもあります。
「勉強なんてしなくていい」
多くの学生は1回はそう思うでしょう。
だから、実際勉強しなくなったのです。
学校に行かなくなると、友達と接する事が無くなり、まったく言葉を喋らなくなった。
蛇足:あまりに喋らなさ過ぎて、当時母親から
という児童書を貰いました。当時、この本を貰って内容をチラっと見てみたら吐き気を催してすぐにゴミ箱に入れてしまいましたが、大学2年生くらいかな、親の事を思うと再度読んでボロ泣きしました。そういう内容です。
さて、当時の環境の事を話した所でKrarithに戻りましょう。
そんなこんなで平日の昼間にもログインするようになると、彼女から心配されます。
私が当時14歳、彼女は30歳くらいかな。
0時回って、LSのメンバーで学生や普通の社会人はログアウトしていたころ、
私と彼女だけがLSに残る。
「くらり、学校行ってる?」
彼女のひょんな一言。
「んー、時々?w」
「大丈夫?最近よくいじめとか聞くけど・・・」
「まぁ・・・あるよね・・・」
彼女だけはやっぱり特別で、見抜かれていました。
自分から中々言えない事を、彼女から聞いてくれました。
そうしてようやく私は心の内を出し始めます。
母親でも父親でも友達でも学校の先生でもなく、
「そっか・・・」
ネットで、顔が見えない相手に。
それでも、これが、初めて心の内を開いた相手なのでした。
「なんでも、聞くからね」
彼女は、当時自分にとって母親よりも信用に足る人物でした。
母親より毎日話してて、歳は離れてるけど同じ女性で、話しやすかった。
彼女と私はいつも、一緒に唄っていました。
私は小さい頃から音楽が好きで、母親や兄からピアノを教わっていました。
小学3くらいからピアノ教室に通い始めてました。
でも、周りに比べて練習しても上手く弾けませんでした。
発表会では一人だけ途中で演奏を辞めてしまっていました。
それでも通い続けて、少しずつ弾けるようになりました。
もちろん中学校になってからも吹奏楽をやっていたけど、
いつの日か見たくもなくなるくらい弾けなくなって。
でも、それでも、奏でたかったのでしょうね。
がむしゃらに掻き鳴らす私の隣で、彼女は
静かに音を重ねる。
―
それからは、自分の話をするようになりました。
実年齢をLSのメンバーに打ち明けてから、チャットが面白くなっていきました。
「はいクラリ!地図記号 v←これなに!」
Krarith「えっ!?」
「現役学生!!」
Krarith「地理の時間寝て先生におこられたのにwwwwww」
「寝るなwwwww」
Krarith「しらねwwwwたんぼwwwwwww」
※畑です。
この所属していたLS、私は中学生でしたが、周りは19歳から30歳くらいまで幅広く在籍していました。 FF11の中ではあんなに楽しそうに会話できていました。
だから、「FF11やる」事に悪いという感情を抱きませんでした。
結局、中学校受験したけど自主退学して、全国でも数少ない不登校特別校に通う事になりました。
母親はさぞ教育熱心で、「兄2人とも私立中高一貫校に通わせていたので娘だけなんで・・・?」という感じで落胆していたのを覚えています。
もちろん、それは当時の自分にとっても過酷な選択肢でした。
勉強はデキていた方だし、やれば出来ると思う。
やる環境さえあればやっていた。
しかし不登校でよくわからないヤンキーな生徒たちと一緒に勉強するのは絶対見下してしまうだろう。
色んな葛藤がありましたが、しぶしぶ通い続けます。
週に1回出席は必ずしよう、理科の授業はパソコン室でサボれるから狙い目・・・
(理科の授業中に見ていた動画
テストを受けると、当たり前のように上位に入る。
数学20点ってなんだったんだお前、ってくらいバカスカ良い点数が出る。
でも学校に来たら来たで相談室に行ってニコニコ見たり
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Aitsu koso ga Tennis no Oujisama (あいつこそがテニスの王子様) by MgO エンターテイメント/動画 - ニコニコ動画
相談室のお兄ちゃんを「童貞だ童貞だ」といじめたり。
そうしてるうちに相談室の仲間が増えて、今でも仲良くしてもらってる親友も出来ていた。
FF11でもだんだんと性格が変わって行って。彼氏できて。
産まれて初めて彼氏が出来たけど、もちろん出会いはネトゲでした。
それからは彼女に話して貰ってた分を彼氏に話に聞いて貰って、人生が良い方向に傾いていく。
次第に、彼氏と話ばっかりするもんで、彼女とあまり話さなくなる。
別のゲーム始めたり。
※ビロンビロンベーのPSU
人生で初めて出来た彼氏に浮ききった自分をそろそろ見直して、
周りのフレンドを大事にしなきゃな、と我に返る。
フレンドリストで彼女の名前を探すものの、オフライン状態が続いてました。
「忙しいのかもしれない」
FF11に戻ってから、毎日フレンドリストを眺めてもその名前がオンラインになることはありませんでした。
(とはいえ、今彼女の年齢がいくつなのか、と計算すれば予想は付きますが…。)
今でも、FF11の無料期間でログインしてフレンドリストを見てますが、オフライン。
本当はサーバー移動して旦那のサーバーやフレンドのサーバーでFF11を一緒にやろうかななんて思ってたんですけど、淡い希望を抱いたままLakshmiサーバーに居座る私。
せめて連絡先の一つ伝えられるだけでいいんですけど、それが叶わない。
1回だけメールアドレスを教えて貰ったものの、ガラケーのデータは飛んでしまった。
それでもKrarithは私しか居ないので、いつか見つけて貰えたら嬉しいなと思って。
ずっとこの名前を使っています。
忘れないうちに書き留めておきたかった昔話でした。
画質が良いSSが彼女のPCからもらったSS、
画質が悪いSSが私のPS2から抽出したSSです。(昔のブログの画像も使いました)
その昔、「データなんて消えちゃうかもしれないし、好きに使っていいよ」って言ってくれてたので、使いました。